インドネシアには『マルタバ』っていうヤバ〜いものがありますが
具沢山のでっかい平べったい春巻きのような屋台メニューで、大量油で揚げ焼きにするのでおいしくないはずが無いヘビースナックです。
夕方から屋台がオープンし夜遅くまで売られます。
そういえば、気がつけば前ほど道ばたに屋台を見かけなくなりました。ちょっと寂しい話です。
希少になりつつある『マルタバ』ですが
これは格別!というお店があります。
私は、ここのマルタバしか食べません。
正式店名は『Mie Ayam Jakarta – Terang Bulan & Martabak Telor, Sesetan』と長過ぎる名前のお店です。屋台ではなくて他のメニューも揃うワルンです。
ここのミーアヤムもトゥラン・ブラン(分厚いホットケーキサンド的なスナック)も有名ですが、マルタバの味は他店を大きく引き離してバリ島ナンバーワンと言い切れます。
店構えも場所も全然イケていませんが、デリバリーの数が凄い。午前中から団体予約も入り、平均100個は届けるそうです。
それはこちら!
この味との出会いは、もう8年も前のこと。
私は雑誌取材のために知る人ぞ知る「ミー・アヤム(鶏そぼろ麺)とマルタバ」を求めてデンパサールの鳥市場の近くにある老舗『Mie Ayam Jakarta – Terang Bulan & Martabak Telor』へ参りました。たどり着くと薄暗くてボロボロのお店で愕然。誰がこんなところまで食べにくるんだ?。。。と思いつつも初めて食べたマルタバの美味しさにビックリ❗これは凄いぞ?
しかし。。。いろんな状態の動物が雑然といる鳥市場の近く? その上ボロボロな店構え。。残念だけどもうこの店には来る事は無いかな〜〜〜と店を後にしました。
(※後に移動したとのことです)
でもその後、マルタバを食べる機会があってもあの時の味と比べるとどれも美味しく思わなくて。マルタバに興味が無いままでした。
数年後、アリー(私のもとで4年間働いてくれていた女子)が「アユ姐ちゃんのお店のマルタバですよ〜!食べてみてください、凄い人気なんです!」とお土産に持って来てくれました。
「わ!これは!!!この分厚さは!」
「おお!これはあの時の味だ!もしかして鳥市場の近くの??」
アリーに問うと「えええ!!イブ、よくわかりましたね!」
「そうです!その鳥市場の老舗店の息子がJL.Sesetanに新しくオープンさせたんです。アユ姐ちゃんの彼氏がその息子です。」と。
「え!アユちゃんの店?!」
「やっぱり間違いない美味しさ!これだ!この味!?」
凄い偶然で久しぶりにこの味に再会することが出来ました。
卵とネギの量が半端ないのです。卵は4個使います。
ネギは相当量入れるので凝縮された味になります。
中味が大量の揚げ餃子に近いかな。
皮がぱりっとしていて最高です!
巷の屋台のような脂っこさがありません。
カリッと揚がっていて、具はふわっと。技ありです。
アユちゃんというのはアリーの遠い親戚にあたる女性で、私にアリーを紹介してくれた恩人でもあります。
彼女は元々うちのすぐ近所のビューティサロン『プラバ』の美容師兼、テラピストでした。彼女は若いのに素晴らしく仕事が出来てとても感じが良い子でした。メイクアップ、ヘアメイク、マッサージの何でも上手にこなしました。
働き者だな〜といつも感心していました。
プラバは彼女の腕と人柄でサヌールの日本人在住者に人気になったと思います。
アユちゃんは秀才でしたが、お父さんを交通事故で失くし早くから働きはじめました。そしてお母さんもご病気で亡くなり、4年弱前に相当惜しまれてプラバを辞めていきました。
自分の後任が見つかるまで延期しつつ最後までボスを支えていました。
彼氏が立ち上げたワルンを手伝うとは聞いていました。
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